日本首相岸田文雄2022年9月20日在联合国大会第77届会议一般性辩论演讲(中日全文)

1 总论

主席先生,在场与会的各位。我们正处于一个历史性的分水岭。

联合国成立已过77年,至今我们仍在目睹乌克兰及世界各地的惨剧。当年决心不重蹈大战复辙,而创立联合国的诸位先贤们,如果看到我们面临的国际秩序挑战时,不知会作何感想?

我们皆是因同意《联合国宪章》的理念和原则,而在此会议厅齐聚。因此,维持一个由成员国团结起来的和平与安全、全体人类经济和社会发展均衡实现的国际社会,这不是一直以来我们所期许的目标吗。

维护植根于法治的国际秩序是至关重要的。联合国过去在塑造这种秩序上,发挥中流砥柱的作用

然而时至今日,这样国际秩序的根基却受到极大的动摇。俄罗斯对乌克兰的侵略,是违反《联合国宪章》理念与原则的行为。并非藉由力量,而是所有国家都在法治的支配之下这点是很重要的,我们绝不能允许这样的事情发生。

联合国不是为了大国而存在。它是基于所有会员国主权平等的原则,是为了整个国际社会的利益。不是只为了有力量、声音大的国家,而是替那些难以传达,也是正当的声音而存在的。

现有的国际秩序在世界各地经受试炼,是时候回归《联合国宪章》的理念和原则,并为了再度贯彻以法治为基础的国际秩序,凝聚我们的力量和智慧了。为此,当务之急是必须改革联合国,并强化联合国本身的职能。在刚果危机的停火谈判期间殉职的达格・哈马舍尔德曾说过「如果联合国机构存在缺陷,我们有责任纠正它们」。为了实现联合国倡导的理念,我们需要正视加强联合国职能的必要性。

为了再次表明日本对联合国,及对多边主义的坚定承诺,今天我在此宣布日本实现联合国理念的决心。它的内容如下。

首先第一是,为了切实回归《联合国宪章》的理念和原则,包含安全理事会在内的联合国的改革,然后是包含裁军和防扩散等联合国自身职能的强化。

第二是,促进国际社会在基于法治支配下而实现的联合国秩序。

第三是,促进新时代人类的安全保障理念之下所努力的倡议。

2 包含联合国在内的安全理事会改革与联合国的职能强

主席先生,在场与会的各位。

我们必须正视,由于安全理事会常任理事国的俄罗斯对乌克兰的侵略,让联合国的信誉陷入危机。为了恢復其信任,我们联合国成员国必须採取行动。

过去时不时就有意见指出安全理事会的功能失灵。我们近30年来,一直对此问题有着诸多讨论。然而,我们真正需要的是实践改革的行动,而不是为了讨论而讨论。在安全理事会常任理事国中,也有表现出改革意愿的国家。没有谈判就没有改革。各种各样的立场中,如果没有谈判就不可能有妥协或收敛。为了安全理事会改革,是时候开始进行以文字为基底的交涉了。2024年的「未来高峰会」,是对联合国的型态进行更广泛调整的绝佳机会。务必,让包含专家学者在内,让我们凝聚广泛的智慧,并增加改革的势头。

对于俄罗斯侵略所构成的国际秩序危机,以最强烈的语彙谴责来代替「遗憾」,并在联合国大会决议中获得压倒性多数支持通过。那个时候的联合国,宛如黑夜裡的灯塔般,清晰地指出了国际社会应该走的方向。借由那次大会,才能再度显示出其是代表所有成员国,代表国际社会公义的唯一普遍认可之机构。

日本不仅是呼吁改革安全理事会,更期望能替大会召开近一步活化而做出努力,并决心在后面给予支持,让整个联合国在维护和平与安全方面发挥更大作用。此外,日本也支持秘书长能够更广泛的参与联合国活动。

今日,俄罗斯所採取的核武器威吓,更遑论说使用核武器等,对国际社会的和平与安全都构成严重威胁,这是绝对不能接受的。

我作为来自于广岛的首相,怀着被爆受害者的思想于胸膛,对朝着实现「无核武器世界」一事,一直以来都以无与伦比的决心推动。原先致力于国际核裁军和不扩散机制的基石《不扩散核武器条约》制度维持及强化,是让世界可以一体同心的努力目标,但在上个月,仅就在俄罗斯一国反对下,最后无法对此达成共识。

和绝大多数国家一样,我也对此深感遗憾。只是,我们并没有放弃。这是因为我们距离最终结果文件达成共识,仅剩下这一个国家。该文件案,为国际社会推进核裁军的现实讨论上展示了新的地基。作为唯一在战争中遭受过原子弹轰炸的国家,日本怀抱历史使命感,对于实现「无核武器世界」的决心,会再次重新地、并朝向更现实的努力而前进。长崎一定要是人类最后被原子弹轰炸的地方。

今年,是小泉首相与国防委员会委员长金正日签署《日朝平壤宣言》满20年。基于这一宣言,我们仍寻求全面解决过去绑架、核问题、导弹等悬而未决的问题,清除不幸的过去,实现两国外交关係正常化的政策仍没有改变。日本愿意就双方关心的事项准备进行对话。我本人,愿意无条件面对金正恩委员长。在避免错过任何机会下,尽我们最大努力行动。

日本在建设和平的领域上长期做出贡献。1992年,日本首次参加在柬埔寨正式展开的PKO(联合国维持和平)任务。

至此30年来。在马里、中非、黎巴嫩等现场,许多戴着蓝色头盔的柬埔寨队员,正担当保护和平与未来的职责。Teau Chanrithy中校,正是受到日本PKO训练后,派往黎巴嫩的人员之一。此后,他担任柬埔寨军队PKO训练中心内指导后进的职位等,作为和平的推手相当活跃。

日本在维和行动的贡献上,孕育了和平之光,跨越了世代、跨越了国界持续对外推广。日本对此予以支持。

3 努力实现促进国际社会法治的联合国

主席先生,在场与会的各位。

接下来,日本将尽一切努力促进实现国际社会法治的联合国。

法治,不单是任何特定国家、特定地区的专有财产。我们应该铭记,对于脆弱的国家来说,法治是很重要的。

强化以国际法为基础的法治,这从从长远来看,都将造福所有国家,并促进一个可持续增长和健全的国际社会发展。

基于这一信念,日本与各国一起同心协力,从实现「自由开放的印度太平洋」开始,在各个领域发挥了积极作用。

1970年的联合国大会,从严峻的对抗跨越到扎实的对话,通过了《友好关系原则宣言》。 这个宣言是前人智慧的结晶,时至至今,依旧是推动法治根本原则的基石。

这份宣言中,就浮现了包括(1)摆脱「由力量统治」,以真诚遵守国际法的「法治」为其目标;(2)特别是绝不认可试图以力量及威压改变世界现状;和(3)合作对抗严重违反《联合国宪章》原则的行为,等如上的基本原则。

我确信,这些基本原则,将成为再度联系目前正面临着深化分歧的国际社会、达成尊重人权和可持续发展之基础。

日本从明年1月起,将成为安全理事会非常任理事国。无论大的声音抑或是小的声音,我们都将侧耳倾听,并对考虑对加强国际社会的法治上做出行动。

4 基于新时代人类的安全保障理念之努力

主席先生,在场与会的各位。

日本将在基于新时代人类的安全保障理念上更进一步努力。

人们从不安和恐惧中解脱出来,过上高品质的生活。尽管人类安全保障理念没有改变,但我们现在正站在历史的分水岭上,直接面临着新的挑战。如今,新冠病毒的世界大流行,与对他国使用武力和胁迫、粮食和能源安全保障、通货膨胀和气候变化等问题相互交织在一起,威胁到比以往任何时候都多的人的安全,导致贫困和疾病问题变得越发深刻。

旨在建立一个不放弃任何人之社会的SDGs(可持续发展目标)理念。为实现这一目标,就需要先实现新时代下人们的安全保障。在此之际,最重要的是个人、社会、然后是国家必须加强其因应时代变化和挑战的应对调适能力。

乌干达阿朱马尼区,不断涌入来自邻国的难民、乌克兰局势导致物价飙涨等,都面临了困难和复杂的课题。这皆是当今世界面临挑战的例子。

该区的行政官Moini Fred先生,在透过JICA培训下,学会将难民和自己国民双方的意见都纳入行政流程的诀窍。阿朱马尼区即使在经济困难的情况中,仍能继续管理其行政业务下,而不会停止对难民的支援,而Fred先生也正致力创建一个没有种族和国籍对立的地区。

随着国际社会秩序的动摇,人们的不安与日俱增下,日本将通过联合国人的安全信托基金等推动倡议等举措,与联合国一道,共同实现新时代的人类安全保障。此外,日本也将毫不犹豫地持续实践人才上的投资。

在今年8月的TICAD8(非洲开发会议)上,我已宣布,在强调对人的投资的同时,日本将在未来三年内,向非洲投资官方和民间等总计达300亿美元规模。在非洲之外的世界各地,日本还将专注于人才培养和能力开发。我深信教育是推动和平的基石,基于这信念,在担任「教育冠军」职务后,将根据联合国教育转型峰会的成果,持续推动人才的培养合作。

新型冠状病毒(COVID-19)的世界大流行下,显现人类的健康,与努力保护他们免于疾病侵害的重要性。日本决定将透过包含COVAX等疫苗提供机制在内等,推动总计 50亿美元的疫情对策、并对于全球基金等,未来三年内向提供最多10.8亿美元的筹募款。日本身为明年七大工业国峰会(G7)的主办国,将持续发挥在国际保健卫生框架的强化,及新型冠状病毒所言及的新时代全民健康复盖(UHC)等方面的领导力作用。

针对保障粮食安全的紧急援助与强化粮食系统的应对能力,以及国际电信联盟 (ITU) 等所倡议的通信领域国际标准和规范等。日本也在提供支援,稳步实施以创造人们可以安心享受高品质生活的环境。此外,为了推进这些进程,日本将修改作为发展合作政策之基本方针的「发展合作大纲」。

我对于国际社会所怀抱的当前与将来的各种课题下,倡导「我们共同的议程」的古特雷斯秘书长的领导力表示支持,在历史发生重大变化的此刻,日本将在新时代人类安全保障的理念下,支持世界各地受苦受难的人们。我们将持续支持以法治为基础的国际秩序,维护和平与稳定,与联合国和各国一道同心协力,为这些目标奋斗。

5 结论

主席先生,在场与会的各位。

正因为我们正站在历史的分水岭上,日本对联合国仍然抱有强烈的期盼。时代变迁,但理念信条永远都在。这正是联合国揭示的理念和原则。我怀着这一信念,决心与各为一同走在强化联合国的道路上。

感谢现在在座各位的聆听。


日文原文:

 議長、御列席の皆様、今我々は、歴史的な分水嶺(れい)に立っています。
 国連創設から77年が経(た)ちましたが、我々はウクライナや世界各地の惨状を目の当たりにしています。大戦の惨禍を繰り返さないと固く決心した国連の創設者は、我々が直面する国際秩序に対する挑戦を見たならば何と思うでしょうか。
 国連憲章の理念及び原則に賛同しているからこそ、我々はこの議場に集っています。加盟国が団結して平和と安全を維持し、全ての人が経済的・社会的に発展する国際社会の実現、それこそが我々が目指す姿ではないでしょうか。
 法の支配に根付いた国際秩序が維持されることが不可欠です。国連はそうした秩序形成に中核的な役割を担ってきました。
 ところが現在、この国際秩序の根本が大きく揺らいでいます。ロシアのウクライナ侵略は、国連憲章の理念と原則を踏みにじる行為です。力による支配ではなく、全ての国が法の支配の下にあるのが重要であり、断じてそのようなことは許してはなりません。
 国連は、大国のためにあるのではない。全ての加盟国の主権平等の原則に基礎を置き、国際社会全体のためにあるのです。力を有し、声の大きな国の主張だけでなく、届きにくい、しかし正当な声を実現するために存在するのです。
 世界各地で既存の国際秩序が試練に曝(さら)されている今こそ、国連憲章の理念と原則に立ち戻り、国際社会における法の支配に基づく国際秩序の徹底のため力と英知を結集する時です。そのためにどうしても実現せねばならないのが国連の改革であり、国連自身の機能強化です。コンゴ動乱の停戦調停の途上で殉職したハマーショルド事務総長は「国連諸機関に欠陥があるとすれば、それを正す責任は私たちにあります」と述べました。国連の掲げる理念を実現していくために、我々は国連の機能強化に正面から取り組む必要があります。
 改めて日本の国連、そして多国間主義への強いコミットメントを示すべく、本日私はここに国連の理念実現のための日本の決意を表明いたします。その内容は、まず第1に、国連憲章の理念と原則に立ち戻るための安全保障理事会を含む国連の改革、そして、軍縮・不拡散も含めた国連自身の機能強化です。
 第2に、国際社会における法の支配を推進する国連の実現です。
 第3に、新たな時代における人間の安全保障の理念に基づく取組の推進です。

 議長、御列席の皆様、安保理常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略により、国連の信頼性が危機に陥っていることを直視しなければなりません。その信頼を回復するために、我々国連加盟国が行動しなければならない。
 これまでもしばしば安全保障理事会の機能不全が指摘されてきました。私たちは、もう30年近くにも亘(わた)り、この問題について議論を重ねてきました。しかし、本当に必要なのは議論のための議論ではなく、改革に向けた行動です。常任理事国の中にも、改革に向けた意欲を見せる国々があります。交渉無くして改革なし。様々な立場は、交渉なくして妥協も収斂(れん)もない。安全保障理事会の改革に向けて、文言ベースの交渉を開始する時です。2024年の未来サミットは、国連のあり方を幅広く見直す絶好の機会です。是非、有識者を含め、幅広い英知を結集し、機運を高めていきましょう。
 ロシアによる国際秩序の危機に対し、最も強い言葉でそれを遺憾とする総会決議の圧倒的多数による採択。その時国連は、闇夜の灯台のように国際社会の進むべき方向を明確に示すことができました。この総会こそが、全加盟国を代表し、国際社会の大義がいずれにあるのかを示す唯一の普遍的な機関です。
 日本は、安全保障理事会の改革だけでなく、総会の更なる活性化にも真剣に取り組み、国連全体が平和と安全の維持に一層大きな役割を果たせるよう後押ししていく決意です。また、日本は、幅広い国連の活動を支える事務総長を支持します。
 今般、ロシアが行ったような核兵器による威嚇、ましてや使用は、国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威であり、断じて受け入れることはできません。
 私は、広島出身の総理大臣として、被爆者の方々の思いも胸に「核兵器のない世界」の実現に向けて、並々ならぬ決意で取組を推し進めています。国際的な核軍縮・不拡散体制の礎であるNPT(核兵器不拡散条約)体制の維持及び強化に向けた、世界が一体となった取組は、先月、ロシア一か国の反対により合意を得るに至りませんでした。
 圧倒的多数の国々と同じく、私も深い無念を感じました。しかし、諦めてはいません。最終成果文書のコンセンサス採択まであと一か国まで迫ることができたからです。同文書案が今後、国際社会が核軍縮に向けた現実的な議論を進めていく上での新たな土台を示しました。唯一の戦争被爆国であるという歴史的使命感を持って、日本は、「核兵器のない世界」の実現に向けた決意を新たに、現実的な取組を進めて参ります。長崎を最後の被爆地とせねばなりません。
 本年は、小泉総理と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が署名した日朝平壌宣言から20年です。同宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す方針は不変です。日本は、双方の関心事項について対話する準備があります。私自身、条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合う決意です。あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動していきます。
 日本は平和構築の分野でも長期に亘り、貢献してきました。1992年、カンボジアで初めて本格的にPKO(国連平和維持活動)ミッションに参加しました。
 それから30年。マリ、中央アフリカ、レバノンなどの現場で、ブルーヘルメットをかぶった多数のカンボジア隊員が平和と未来を守っています。ティアウ・チャンルティ中佐(当時)は、日本によるPKO訓練の後、レバノンに派遣された一人です。その後、カンボジア軍のPKO訓練センターで後進の指導にあたるなど、平和の担い手として活躍されています。
 日本のPKOへの貢献を通じて生まれた平和の灯(ともしび)が、世代を越え、国境を越えて広がっていくのです。日本はそれを支援します。

 議長、御列席の皆様、次に、日本は、国際社会における法の支配を推進する国連の実現に尽力します。
 法の支配は、特定の国、特定の地域の独占物ではありません。脆弱(ぜいじゃく)な国にとってこそ法の支配は重要であることを思い起こすべきです。
 国際法に基づいた法の支配を強化していくことが、長期的に見れば、全ての国に裨益(ひえき)し、持続的な成長と健全な国際社会の発展につながります。
 このような信念の下、日本は、各国と協力しながら「自由で開かれたインド太平洋」実現を始め、様々な分野において積極的な役割を果たしてきました。
 1970年、国連総会は、厳しい対立を粘り強い対話により乗り越え、「友好関係原則宣言」を採択しました。先人たちの知恵の結晶であるこの宣言は、今日においても、法の支配を促進するための基本的原則を導き出す基盤です。
 この宣言からは、「力による支配」を脱却し国際法の誠実な遵守を通じた「法の支配」を目指すこと、特に、力や威圧による領域の現状変更の試みは決して認めないこと、国連憲章の原則の重大な違反に対抗するために協力すること、という基本的原則が浮かび上がってきます。
 これらの基本的原則こそ、分断の深刻化が懸念される目下の国際社会を繋(つな)ぎ合わせ、人権尊重と持続可能な開発を達成するための基礎となるものであると確信します。
 日本は来年1月から、安全保障理事会の非常任理事国となります。大きな声だけでなく小さな声にも真摯に耳を傾けながら、国際社会における法の支配を強化するべく行動する考えです。

 議長、御列席の皆様、日本は、新たな時代における人間の安全保障の理念に基づく取組を強化して参ります。
 人々が不安と恐怖から解放され、質の高い生活を送る。人間の安全保障の理念は変わりませんが、我々は今、歴史的な分水嶺に立ち、新たな挑戦に直面しています。今日、パンデミックに加え、他国への武力の行使や威圧、食料やエネルギー安全保障、インフレや気候変動などの問題が相互に結び付き、これまでになく多くの人々の安全が脅かされ、貧困と疾病が深刻化しています。
 誰一人として取り残さない社会を目指すSDGs。その達成のためにも、新たな時代における人間の安全保障の実現が求められています。その際、重要なのは、個人、社会、そして国家のそれぞれが、時代の変化と挑戦に対応するためのレジリエンスを高めることです。
 ウガンダのアジュマニ県は、周辺諸国から難民の流入増大、ウクライナ情勢による物価高騰など、困難かつ複合的な課題に直面しています。今日の世界が直面する挑戦の一例です。
 同県の行政官、モイニ・フレッドさんは、JICA(国際協力機構)の研修で難民・自国民双方の意見を取り入れて行政を進めていくノウハウを学びました。アジュマニ県は自分たちも経済的に苦しい中で、難民支援を止めることなく行政運営を続けており、フレッドさんは民族・国籍の対立のない地域作りのために奔走しています。
 国際社会の秩序が揺らぎ、人々の不安が高まる中、日本は、人間の安全保障信託基金を通じた取組促進も通じ、国連と共に新たな時代における人間の安全保障の実現を進めます。また、人への投資を惜しみなく実践していきます。
 本年8月のTICAD8(第8回アフリカ開発会議)でも、私は人への投資を重視しつつ、アフリカに今後3年間で官民総額300億ドル規模の資金の投入を行うことを表明したところです。アフリカ以外の世界各地でも、日本は人材育成や能力構築に力を入れます。私は、教育は平和の礎という信念の下、教育チャンピオンに就任し、国連教育変革サミットの成果も踏まえ人づくり協力を進めます。
 新型コロナ・パンデミックは、人々の健康と、疾病から人を守る取組の重要性を示しました。日本はCOVAX等を通じたワクチン関連支援を含め総額50億ドルの新型コロナ対策を進め、グローバルファンドに対し、次の3年間で最大10.8億ドルを新たに拠出することを決定しました。日本は、来年主催するG7に向け、国際保健の枠組み強化や、新型コロナを踏まえた新たな時代のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成にも引き続きリーダーシップを発揮します。
 食料安全保障のための緊急支援と食料システムのレジリエンス強化支援、国際電気通信連合(ITU)等の取組を通じた情報通信分野での国際標準・規格作りなど。日本は、人々が安心して質の高い生活を享受できる環境作りへの支援も着実に実施しています。また、こうした取組を進めるためにも、日本は開発協力政策の基本方針である開発協力大綱を改定します。
 私は、国際社会が抱える現在と将来の諸課題への対応を我々のコモンアジェンダとして示した、グテーレス事務総長のリーダーシップを支持します。歴史が大きく変わりつつある今、日本は、新たな時代における人間の安全保障の理念の下で、世界中の苦しむ人々を支えます。法の支配に基づく国際秩序に支えられた、平和と安定の維持に向け、国連及び各国と力を合わせて、取り組んでいきます。

 議長、御列席の皆様、歴史の分水嶺に立つ今だからこそ、日本は、国連に対する強い期待を持ち続けます。時代は変われど、変わらないもの。それは国連の理念と原則です。私は、その確信を持って、皆さんと共に国連の強化に向けた道のりを歩んでいく決意であります。御清聴ありがとうございました。

相关推荐

0 0 投票数
文章评分
订阅评论
提醒
guest
0 评论
最旧
最新 最多投票
内联反馈
查看所有评论
0
希望看到您的想法,请您发表评论x