日本首相岸田文雄在2022年世界经济论坛“达沃斯议程”对话会上的演讲(中日全文)

施瓦布主席、女士们、先生们

首先,对今天开幕的世界经济论坛达沃斯议程2022表示衷心的祝贺。

1、前言

经过以政治生命一搏的挑战,我赢得了自民党总裁选举,就任内阁总理大臣,并在大选中确保了政权稳定运营的多数议席。我的政治风格是最为珍视与国民和现场的沟通,并以进取的姿态迅速推出政策。

我将最大限度地发挥这一政治风格,从正面致力于推进三项政权议题。第一是克服新冠疫情。第二是依托新资本主义复苏日本经济。第三是展开新时代现实主义外交。

今天我希望侧重于依托新资本主义复苏日本经济来阐述我的方针。

2、“新资本主义”

气候变化、数字化社会变革、贫富分化和贫困加剧、中长期投资的慢性不足、城乡差距、中产阶层萎缩导致的民主主义危机、地缘政治和地缘经济中新的紧张升级。

上世纪50~60年代力求实现福利国家和庞大政府的尝试、80~90年代里根前总统、撒切尔前首相推进的新自由主义。我认为当前已经迎来了和这些同等的划时代政策范式的转换期。

至今在达沃斯论坛上也积极开展了有关“大重置” (the Great Reset)利益相关方资本主义等前瞻性讨论,我对此深表敬意。

虽然也有意见认为“带来不受监督的权力集中的国家资本主义”在实施社会变革中极为高效。但是,从历史上可以看出缺乏监督机构的国家资本主义的行为在国内外导致严重负面影响的风险很高。

我的目标是“既要秉持民主主义的普世价值观,又要面向新时代推进经济社会的巨变”,即“自由民主社会的巨大变革” (Great Transformation of Liberal Democratic society)。

我认为美国拜登政权倡导的重建美好、欧盟(EU)的新一代EU都是基于同样目的的历史性社会变革倡议。

通过选举接受国民严格评判的同时,我将扎实推进经济社会变革。为此,与主要国家政府和产业界、劳动界领袖协调合作,在全球形成政策范式的巨浪、历史潮流至关重要。

日本将着眼于明年担任七国集团(G7)主席国,带着以新资本主义引领世界潮流的信念推出资本主义进化的实例。

3、旨在复苏日本经济的举措

“当思维从‘杯子是半满的’变成‘杯子是半空的’,那一刻就会产生创新的机遇。”

这是经济学家彼得•特鲁克的杯子理论。日本是一个富裕安宁宜居的国家。容易自我封闭陷入“杯子是半满的”思维。但是,时代正在因新冠疫情发生剧变。

当前是切身感受到全球危机的时代。我坚信,如果每一名日本国民、企业都能对“杯子是半空的”意识产生共鸣,就一定能发挥出日本特有的凝聚力,实现巨大的转变。

我所追求的新资本主义,将向国民清晰明了地展现日本经济社会面临的历史性挑战全貌。并在此基础上,不是单纯地放手交予市场和竞争,而是重视政府与民间朝着未来经济社会变革的同一愿景,携手推动变革。日本强大的凝聚力将成为新的官民协作基础。

并且,要把引发投资的新机制和改变附加价值分配方式的新体系分别嵌入到成长战略和分配战略之中,以此来真正促进成长与分配的良性循环。

4、经济社会的变革

(1)绿色社会

为了实现巴黎协定,日本承诺的目标是2030年度减排温室气体46%、2050年实现碳中和。达成这一目标的征程极富挑战性。不具备国际电网、福岛第一核电厂事故导致对核电的担忧依然不减、山多海深的岛国特性不可避免地造成可再生能源的高成本。这些都是日本经济的弱点。

为了克服这些供给侧的弱点,将由政府和民间携手集中推动涵盖需求和供给两侧的面向碳中和社会的变革与创新。

将提前完善尽早让投资倍增的制度改革和政策支援、新一代电网建设等。并推进改变产业结构和个人消费的碳定价和劳动市场改革等。至今因政治原因难以实现的政策,也将以国民对气候变化的危机意识为后盾大刀阔斧地努力促成。

同时,亚洲有很多国家与我国的能源结构相似。就像欧盟(EU)是从冷战时代的欧洲煤钢共同体起步的那样,日本将在地缘政治和地缘经济形势日益严峻的亚洲力争创建包括面向零排放技术开发和氢基础设施的国际联合投资、联合资金筹措、技术标准化、亚洲排放权市场等内容的“亚洲零排放共同体”。

(2)数字

另一重要支柱是数字化。至今日本的数字化发展缓慢。其原因是不愿改变早已习惯的工作方式,缺乏变革意识。

但是,新冠疫情让许多人重新认识到了数字化的落后和便利性。并且,不断加剧的人口稀疏化和老龄化也让我们感到为了解决日本的社会课题,数字的力量是不可或缺的。

现在正合时宜。我们将一鼓作气地推进日本的数字化。其关键在于基础设施。

我们将建设环绕日本的海底电缆,让光纤网覆盖整个日本列岛。同时,将在日本各地分设大规模数据中心,以准备应对真正迎来数字化时代之后数据处理量的激增。并且,还将利用以目前耗电量的一成达到100倍速度的光通信技术推动建立新一代通讯网。

官民携手提出数字目标,有计划地建设完善。保证让超高速大容量通信线路达到“人人一线”。

现有的制度无法适应新的商业和服务。我们将按照数字原则对4万项法规制度进行修订。通过制定新规则开创无人机、自动驾驶、医疗和教育等领域的新市场十分重要。

进一步推动3年前我国在达沃斯提出的“自由公正的数据流动(DFFT)”。在信赖的基础之上实现能够带来创新、推动消除贫富分化的自由数据流动。

(3)面向人的投资

碳中和型社会以及数字这两个领域的关键都是面向人的投资。当今时代,人所拥有的独创性和创造力将成为解决课题和实现创新的源泉。

多年来,日本企业一直依靠控制成本、以更廉价的产品进行供给竞争。这一过程中,面向人的投资也被视为成本,导致工资无法上升,还压制了面向人才培养等投资。

今后,必须形成让面向人的投资带动企业价值的持续提升,并吸引更多面向人的投资的良性循环。将建立包括新的就业能力培训计划、扩大女性干部录用、活用兼职等内容的契合面向数字化社会转型的人力资本支援体系。

关键在于不仅是企业,还要在市场参与者中间形成面向人的投资将成为企业价值源泉的共识,建立相关机制,让更多的资金流向努力提升中长期企业价值的企业。为此,日本将建立有关人力资本投资等非财务投资信息的公开制度。

5、打造可持续的日本经济

至今,日本以放宽金融、扩大财政、成长战略为三大支柱,提出了包括基于世界标准的企业治理的“安倍经济学”。安倍经济学让日本经济摆脱了通缩的局面,实现了促进女性参与劳动、扩大就业等成果。

虽然安倍经济学取得了上述巨大成果,但是为了打造可持续并具包容性的日本经济,显而易见仅靠以往的举措是不够的。

我主导的内阁将以安倍经济学实现的宏观经济和市场领域的成果为基础,果敢地推动绿色转型、数字化转型等日本经济社会的变革。

为了在国民危机感的推动下克服日本经济的薄弱领域,将设计并应用能够集中引发全民挑战和投资的机制。

6、结语

今天,我们必须描绘出实现了“大重置”之后的未来世界。

为了开拓全新的时代,通过跨越价值观和处境立场的差异加强对话沟通,以信任的纽带连接更多的人,这一点无比重要。

达沃斯论坛多年来作为体现这一精神的平台,吸引了全球众多的政治、经济领袖。

我坚信,今后政治和经济超越各自立场,共同就“公共”展开讨论并付诸行动的重要性将不断提升,因此达沃斯论坛的意义也将更加深远。

最后,衷心祝愿以施瓦布主席为首的世界经济论坛的全体成员、各位听众取得更长足的发展。

感谢大家静听。


シュワブ会長、ご出席の皆様、
本日、世界経済フォーラムの「ダボス・アジェンダ2022」が開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。
1.はじめに
政治生命をかけた挑戦を経て、総裁選勝利、内閣総理大臣就任、総選挙で安定多数を確保しました。自分の政治スタイルは、国民や現場とのコミュニケーションを何より大事にしつつ、攻めの姿勢でスピ
ーディーに政策を打ち出すことです。
このスタイルを最大限活かして3つの政権アジェンダに正面から取り組んでいきます。第一に、新型コロナの克服。第二に、“新しい資本主義”による日本経済再生。第三に、新時代リアリズム外交の展開です。
本日は、“新しい資本主義”による日本経済再生に重点を置いて私の考えをご紹介したいと思います。
2.“新しい資本主義”とは
気候変動、デジタル社会変革、格差や貧困の拡大、中長期投資の慢性的不足、都市と地方の格差、中間層縮小による民主主義の危機、ジオポリテクス・ジオエコノミクスでの新たな緊張感の高まり。
50~60年代の福祉国家や大きな政府実現の試みや、80~90年代のレーガン、サッチャーによる新自由主義の展開。
これらと同様の歴史的なスケールでの政策パラダイムの転換の時代を迎えたと捉えています。
このダボス会議でも the Great Reset、ステークホルダー資本主義など先見性をもった活発な議論が行われてきており敬意を表します。
「監視なき権力集中をもたらす国家資本主義」は社会変革を行なう上では効率的であるとの指摘もあります。しかしながら、チェック機構を欠く国家資本主義は、国内外で大きな副作用を伴う行動をするリスクが高いことは歴史が示すところです。
「民主主義の普遍的な価値観を守りながら、新しい時代に向けて経済社会を大きく変換していく」
す な わ ち 、“ Great Transformation of Liberal Democratic society”を目指していきます。
米国のバイデン政権のビルド・バック・ベター、EUの次世代EUも、同じ目的をもった歴史的な社会変革のイニシアティブだと理解しています。
選挙による国民の厳しい評価を受けながら、経済社会変革をしっ かり進めていきます。そのためには、主要国の政府や産業界・労働界 のリーダーが協調し、世界的に政策パラダイムの「大きなうねり」、
「歴史の潮流」を作っていくことが重要です。
日本は、我が国が来年のG7議長国を務めることを見据えながら、“新しい資本主義”によって世界の流れをリードするとの思いを持って資本主義の進化の実例を示していきます。
3.日本経済再生への取り組み
「コップに『半分入っている』から、コップは『半分空である』に変わる時、イノベーションの機会が生まれる。」
経営学者 P.E.ドラッカーのコップ理論です。日本は、豊かで住みやすく穏やかな国。自分のサイロに閉じこもり「半分入っている」になりがちです。しかしながら、コロナを経て、時代は、急激に変わっ
ています。
地球規模の危機を実感する時代。国民一人一人、事業者それぞれが、「半分空である」という思いを共感すれば、日本は持ち前の団結力を活かして大きく変貌できると確信しています。
私が目指す“新しい資本主義”では、日本の経済社会が直面する歴史的挑戦の全体像を国民に分かりやすく示します。その上で、市場や競争にすべてを任せるのではなく、官と民が経済社会変革の全体像を共有しながら、変革のために協働していくことを重視します。日本の連帯感の強さは新しい官民協働の土台となります。そして、投資を引き出す新しい仕組み、また、付加価値分配のあり方を変えるための新しい仕組み。これらを成長戦略、分配戦略それぞれに埋め込んでいくことで、「成長と分配の好循環」を本格的に回していきます。
4.経済社会の変革
(1)グリーン社会
日本は、パリ協定の実現に向け2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラルの目標にコミットしています。目標達成の道のりは、極めてチャレンジングです。国際的な電力グリッドを持たず、福島第一原発事故による原発不信が強く残り、再生可能エネルギーも山多く海深い島国のためコスト高にならざるを得ません。これが、日本経済の弱みになっています。
こうした供給面での弱みを克服するために、需要・供給両面にわたる炭素中立社会への変革とイノベーションに官民が協働して集中的に取り組みます。
早期に投資を倍増するための制度改革や政策支援、次世代グリッドなどの前倒し整備。さらに産業構造や個人消費を変革するカーボンプライシングや労働市場改革などです。これまで政治的に困難だった政策も気候変動への国民の危機感を背景に大胆に取り組んでいきます。
また、アジアには我が国と似たエネルギー構造を持っている国も多くあります。EUが冷戦下での欧州石炭鉄鋼共同体から始まったように、地政学・地経学両面で難しさが増すアジアでゼロエミッション技術の開発や水素インフラでの国際共同投資、共同資金調達、技術標準化、アジア排出権市場などを内容とする「アジア・ゼロエミッション共同体」を目指していきます。
(2)デジタル
もう一つの重要な柱は、デジタル化です。日本では、デジタル化が不十分でした。原因は、これまで慣れ親しんだ仕事のやり方を変えたくないという変革意識の欠如です。
しかし、コロナ禍で多くの人が、デジタル化の遅れと利便性を改めて認識しました。また、過疎化や高齢化の進展は、日本の社会課題解決には、デジタルの力が不可欠との気づきをもたらしました。
今が「チャンス」です。この機に、日本のデジタル化を、一気呵成に進めます。重要なのは、インフラです。
日本を周回する海底ケーブルを整備し、列島全体に、光ファイバー網を張り巡らせます。また、大規模データセンターを日本各地に分散させ、本格的なデジタル時代の到来によるデータ処理量の急増に備えます。さらには、現在の100倍の速度と、10分の1の省電力化を実現する光通信技術を使って次世代ネットワークを推進していきます。
官民で数値目標を掲げ、計画的に整備し、超高速大容量の回線を、「一個人一回線」で利用できるようにしていきます。
新たなビジネス・サービスには、既存の制度が適合しません。4万件の規制・制度をデジタル原則の下で見直します。ドローン、自動走行、医療、教育など、新たなルールを作ることで、新たな市場を創出
することが重要です。
今から3年前、ダボスの地で、我が国が提唱した、「データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト」DFFTを更に前に進めます。信頼という基盤の上に、イノベーションをもたらし、富の格差の解消にも
つながる自由なデータ流通を実現させます。
(3)人への投資
炭素中立型社会、そして、デジタル両方の分野のカギが、「人」への投資です。人が持つ、独創性や、創造力といった力が、課題解決や、イノベーションの源泉となる時代です。日本企業は、長年、コストを抑え、他社よりも安い製品の供給競争を戦ってきました。この中で、人への「投資」はコストとみなされ、賃金は上がらず、人材育成などへの投資も抑制されてきました。
これからは、人への投資が、持続的な企業価値の向上につながり、さらなる人的投資を呼ぶという好循環をつくらなければいけません。
雇用能力教育のための新たなプログラムや、女性の幹部登用の拡大、副業の活用など、デジタル社会への変革にふさわしい人的資本を支えるシステムを作っていきます。
その際、企業だけでなく、市場関係者との間で、人への投資が、企業価値の源泉となるという共通認識を作り、中長期的な企業価値向上を進める企業に、より多くの資金が集まる仕組みを作っていくことが重要です。そのために、日本では、人的資本投資など非財務投資に関する開示制度をつくっていきます。
5.持続可能な日本経済へ
日本は、これまで、金融緩和、財政拡大、成長戦略を三本柱として、世界標準のコーポレートガバナンスなども含めた「アベノミクス」を掲げてきました。アベノミクスの結果、日本経済は、もはやデフレではないという状況となり、女性の労働参加拡大、雇用の拡大などを成し遂げました。
このように、アベノミクスは、大きな成果を上げてきましたが、持続可能で、包摂的な日本経済に変革していくためには、これまでの取組だけでは不十分なことは明らかです。
私の内閣では、アベノミクスが成し遂げたマクロ経済や市場関連の実績を土台として、グリーン・トランスフォーメーション、デジタル・トランスフォーメーションなど日本の経済社会の変革を大胆に進めていきます
国民の危機感を背景に、日本経済の弱点と言われている分野の克服に、国民の挑戦と投資を集中的に引き出していく仕組みをデザインし、実装していきます。
6.おわりに
今、我々は、Great Reset の先の世界を描いて行かなければなりません。
新しい時代を切り拓くためには、価値観や置かれている状況、立場の違いを超えて対話を積み重ねることで、多くの人が、信頼によってつながることが極めて重要です。
ダボス会議は、長年にわたり、まさに、そうした精神を体現する場として、世界中の政治、経済のリーダーを惹きつけてきました。
今後、ますます、政治と経済が、それぞれの立場を超え、共に「公」について議論をし、行動していくことが重要になる中で、この場の重要性が高まっていくと確信します。
シュワブ会長はじめWEFの皆さま、聴衆の皆さまの益々の御発展を祈念し、私のスピーチとします。
ご清聴ありがとうございました

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